猫と暮らす人のための入門ガイドです。診断、投薬、個別のケアは獣医師に相談してください。
すぐに受診したいサイン体の6つの部分
番号を選ぶと、からだのしくみと日々の役割、小さなケアを見られます。押さえたり無理に動きを止めたりせず、やさしく観察しましょう。
番号か項目を選ぶと、説明がイラストの横または下に表示されます。
食事のとき
口と歯
歯 · 歯ぐき · 舌
- 毎日の役割
- 歯は食べ物をとらえて切り分け、舌は食事や水飲み、毛づくろいを助けます。
- 観察すること
- 噛み方、食べこぼし、よだれ、新しく出てきた口臭に注目。口が痛くても食べ続けることがあります。
- 日々のケア
- 猫用歯みがき剤で少しずつ歯みがきに慣らしましょう。口が痛そうなら、先に獣医師へ相談してください。
参考資料Merck Veterinary Manual: Physical Description of CatsCornell Feline Health Center: Feline Dental Disease
休んでいるとき
心臓と呼吸
気道 · 肺 · 心臓
- 毎日の役割
- 肺は酸素と二酸化炭素を交換し、心臓は血液を循環させて全身に酸素を届けます。
- 観察すること
- リラックスしている時や眠っている時の呼吸を見て、新しく出てきた息苦しさ、咳、いつもと違う呼吸が続いていないか確かめます。
- 日々のケア
- たばこの煙や刺激のあるスプレーを避けましょう。口を開けた呼吸や苦しそうな呼吸は救急受診を。
参考資料Merck Veterinary Manual: Introduction to Lung and Airway Disorders of CatsCornell Feline Health Center: Dyspnea (Difficulty Breathing)
食事とトイレのまわりで
消化と栄養
胃 · 腸 · 肝臓 · 膵臓
- 毎日の役割
- 消化管は食べ物を分解して栄養を吸収し、肝臓と膵臓が消化や栄養の代謝を支えます。
- 観察すること
- 食欲、嘔吐、便の状態、体重の推移を見守りましょう。繰り返す嘔吐は、普段の毛づくろいの一部ではありません。
- 日々のケア
- 成長段階に合う総合栄養食を選び、フードの切り替えは少しずつ。新鮮な水をいつでも飲めるようにしておきます。
参考資料Merck Veterinary Manual: Introduction to Digestive Disorders of CatsCornell Feline Health Center: Feeding Your Cat
トイレを掃除するとき
腎臓と泌尿器
腎臓 · 尿管 · 膀胱 · 尿道
- 毎日の役割
- 腎臓は血液をろ過して水分や老廃物を調整し、尿は尿管から膀胱へ進んで尿道から排出されます。
- 観察すること
- 水を飲む量、尿のかたまり、トイレの回数に注目。力んでも尿がほとんど出ない・出ない場合は緊急です。
- 日々のケア
- 新鮮な水と、清潔で入りやすいトイレを用意します。尿を減らすために水を制限しないでください。
参考資料Merck Veterinary Manual: The Urinary System of CatsCornell Feline Health Center: Chronic Kidney DiseaseCornell Feline Health Center: Feline Lower Urinary Tract Disease
窓辺へ向かうとき
骨と運動
骨 · 関節 · 筋肉
- 毎日の役割
- 骨格が体を支え、関節と筋肉が連動して歩く、登る、跳ぶ動きを可能にします。
- 観察すること
- 跳ぶ前のためらい、動きのこわばり、毛づくろいの減少、休む場所の変化に目を向けましょう。
- 日々のケア
- 滑りにくい通路や行きやすい寝床を用意し、猫が自分で参加を選べる短い遊びの時間を。
やさしくブラッシングするとき
皮膚と感覚
皮膚 · 被毛 · ひげ · 耳
- 毎日の役割
- 皮膚は体を守るバリアとなり、被毛は体温調節を助けます。ひげなどの感覚器は周囲の情報を受け取ります。
- 観察すること
- 脱毛、頻繁にかく仕草、なめすぎ、分泌物、頭を振る動きなど、急な変化に気をつけます。
- 日々のケア
- やさしくブラッシングし、ひげは切らないでください。猫に適した寄生虫予防を獣医師と相談しましょう。
参考資料Merck Veterinary Manual: Structure of the Skin in CatsMerck Veterinary Manual: Physical Description of CatsMerck Veterinary Manual: Routine Health Care of CatsCornell Feline Health Center: Poisons
毎日のケア
食器、トイレ、少しのふれあいから。ほかの猫ではなく、その子のいつもの習慣と比べましょう。
毎日
食器を見てみる
水を替え、食器を洗い、実際に食べた量を観察します。成長段階に合う総合栄養食を選びましょう。
トイレの情報を読む
毎日掃除しながら、尿や便、何度も出入りする様子を観察します。清潔で静かな、入りやすい場所に置きましょう。
参考資料Cornell Feline Health Center: Feline Lower Urinary Tract DiseaseMerck Veterinary Manual: Routine Health Care of Cats
動ける環境をつくる
猫のペースで短く遊び、爪とぎや安心できる休み場所を用意します。跳び方や遊ぶ意欲の変化を見ます。
参考資料Cornell Feline Health Center: Is Your Cat Slowing Down?Merck Veterinary Manual: Routine Health Care of Cats
歯みがきを少しずつ
猫用歯みがき剤と柔らかいブラシで毎日を目標に。ごく短い時間からごほうびと一緒に始め、嫌がったら離れられるようにします。
参考資料Cornell Feline Health Center: Feline Dental DiseaseMerck Veterinary Manual: Routine Health Care of Cats
定期的に・必要に応じて
毛・爪・体重を確認
被毛に合わせてブラッシングし、爪先を確認し、同じ方法で体重を記録します。長毛猫には毎日のケアが必要なこともあります。
参考資料Merck Veterinary Manual: Physical Description of CatsMerck Veterinary Manual: Routine Health Care of Cats
予防のための通院を
成猫は少なくとも年1回の健診を。子猫、高齢猫、すでに病気のある猫は、獣医師の助言に合わせて回数を増やします。
変化に気づいたら
同じ変化でも原因はさまざまです。病名を当てはめるためではなく、獣医師がどんな点を調べるかを知るために項目を開いてみてください。
口と歯の病気口臭、よだれ、食べ方の変化
歯肉炎、歯周病、歯の吸収病変は痛みを引き起こすことがあります。普段どおり食べていても、問題がないとは限りません。
獣医師と確認すること
口の診察に加え、歯ぐきの下まで調べるために麻酔や歯科レントゲンを勧めることがあります。家での歯みがきは予防であり、治療の代わりにはなりません。
この章を読む下部尿路の問題トイレの回数増加、いきみ、血尿
膀胱の炎症や結石などはよく似た症状を示します。こうした症状があるからといって、必ずしも細菌感染とは限りません。
獣医師と確認すること
尿検査や画像検査などが原因を調べる助けになります。力んでも尿がほとんど出ない・出ない場合は尿道閉塞の可能性があり、直ちに救急へ。特に雄猫は注意が必要です。
この章を読む参考資料Cornell Feline Health Center: Feline Lower Urinary Tract Disease
慢性腎臓病飲水や尿の増加、体重・食欲の変化
腎機能は少しずつ低下していくことがあり、初期には目立つ症状がない場合もあります。慢性腎臓病は高齢猫により多く見られます。
獣医師と確認すること
血液・尿・血圧などを合わせて総合的に判断します。食事や治療は個別に調整するもので、一つの症状や血液検査の一項目だけでは全体像はわかりません。
この章を読む繰り返す嘔吐嘔吐が続く、ほかの変化もある
嘔吐は一つの症状で、原因は消化器からそれ以外の病気までさまざまです。繰り返す場合は毛玉と決めつけないでください。
獣医師と確認すること
吐く回数と食欲・便の変化を記録して早めに相談しましょう。血が混じる、衰弱、毒物や異物を飲み込んだ疑い、水も吐いてしまう場合は緊急の評価が必要です。
この章を読む喘息と気道の問題せき、ゼーゼーする音、苦しそうな呼吸
喘息では気道に炎症が起こり狭くなります。ほかの病気でも似た症状が出るため、咳だけでは診断できません。
獣医師と確認すること
胸部画像などの検査が必要になることがあります。煙や刺激性スプレーを減らしましょう。開口呼吸や呼吸困難は自然に治るのを待たず救急へ。
この章を読む参考資料Cornell Feline Health Center: Feline Asthma: A Risky Business for Many CatsCornell Feline Health Center: Dyspnea (Difficulty Breathing)
糖尿病水と尿が増え、食べてもやせる
インスリンは体が糖を利用するのを助けます。十分に働かないと血糖が上がり、肥満はリスクを高めることがあります。
獣医師と確認すること
緊張でも血糖が上がるため、血液と尿、必要に応じて追加の測定を合わせて判断します。治療と管理は一頭ごとに計画します。衰弱、嘔吐、食べない場合は急いで相談してください。
この章を読む参考資料と、このガイドでわからないこと
獣医療機関の公開資料をもとに独自にまとめた入門ガイドです。各資料は対応する節の内容を支えるもので、関係機関による推薦や獣医師による監修を意味するものではありません。
資料確認日 · · 英語の資料
- 01Merck Veterinary ManualPhysical Description of Cats
- 02Merck Veterinary ManualIntroduction to Digestive Disorders of Cats
- 03Merck Veterinary ManualIntroduction to Lung and Airway Disorders of Cats
- 04Merck Veterinary ManualThe Urinary System of Cats
- 05Merck Veterinary ManualStructure of the Skin in Cats
- 06Merck Veterinary ManualRoutine Health Care of Cats
- 07Cornell Feline Health CenterFeeding Your Cat
- 08Cornell Feline Health CenterFeline Dental Disease
- 09Cornell Feline Health CenterFeline Lower Urinary Tract Disease
- 10Cornell Feline Health CenterChronic Kidney Disease
- 11Cornell Feline Health CenterVomiting
- 12Cornell Feline Health CenterDyspnea (Difficulty Breathing)
- 13Cornell Feline Health CenterFeline Asthma: A Risky Business for Many Cats
- 14Cornell Feline Health CenterFeline Diabetes
- 15Cornell Feline Health CenterPoisons
- 16Merck Veterinary ManualEvaluation and Initial Treatment of Dog and Cat Emergencies
- 17Cornell Feline Health CenterIs Your Cat Slowing Down?
